コロナ禍終息後への思いを形にしようと、江南市の滝高校の生徒らが、全国の高校生から募ったメッセージやイラストを取り込んだモザイクアートを作った。

　取り組んだのは滝高の生徒ら全国の高校生３６人。休校措置が取られたことなどを受け、「行動を自粛させられても学生にも譲れない思いがあると知ってほしい」と考え、「自粛後にしたいこと」をメッセージやイラストで表現した作品の制作を思い立った。

　メンバーらは、「＃君の想いは自粛するな」というハッシュタグを付け、ＳＮＳのツイッターやインスタグラム、ラインで作品を募集。「マスク付けずにオシャレする！」「思いっきり抱きついてやる」などと書いたメッセージが寄せられた。「コロナを超える」という語呂に願いを込め、５６７点以上を集めることが目標だったが、２カ月で１１２３点の写真データが集まった。生徒たちが留学中に知り合った外国人からも寄せられた。

　メンバーらがパソコンに取り込んだ写真を並べ、色を付けるなどの加工を施し、アートに仕上げた。メンバーに滝高校の生徒が多くいることから江南市のマスコットキャラクター「藤花ちゃん」を表現。「君の想いは自粛するな」と文字で熱い思いを届けた。作品は縦約１メートルのポスターにし、今月１日に同市に寄贈。１階西フロアの陳列棚に飾られている。

　メンバーの滝高校３年の女子生徒（１８）は「ネットを通して全国規模の企画ができて、コロナ禍でも悪くなかったと思える思い出になった」と振り返った。（鈴木里奈）

（2020年7月9日　中日新聞朝刊尾張版より）