進学ナビ

HOME > 高校ニュース > 全て

高校ニュース

高校野球 スポーツ  2020.06.15

この記事の関連校
愛知工業大学名電高等学校 東邦高等学校

異例!!ライバル校同士のカード 愛工大名電VS東邦で練習試合

練習試合を行った愛工大名電(手前)と東邦(奥)の選手ら。試合終了後のあいさつは、両校ベンチ前から行った=愛知県岡崎市の岡崎市民球場で(麻生和男撮影)

練習試合を行った愛工大名電(手前)と東邦(奥)の選手ら。試合終了後のあいさつは、両校ベンチ前から行った=愛知県岡崎市の岡崎市民球場で(麻生和男撮影)

■「いい球場で試合できてうれしい」7月代替大会へ前進

 第102回全国高校野球選手権大会(甲子園)と地方大会の中止を受け、愛知県で豪華な練習試合が実現した。ともに春のセンバツ大会で優勝経験のある愛工大名電と東邦が14日、愛知・岡崎市民球場で対戦。通常は同県内のライバル校同士が練習試合を行うことはめったにないが、夏の大会の中止が決まったことにより、異例のカードが組まれた。試合は10-7で愛工大名電が勝った。

 ともに公式戦用のユニホームを着用しての真剣勝負は、1回に愛工大名電が敵失も絡め4点を先制。東邦もすぐに3点を返すめまぐるしい展開。3回以降に愛工大名電が得点を重ね、追い上げる東邦を振り切った。

 「実力が、そのまま結果に出たわけではない。練習不足の感は否めない。それでも、みんなモチベーションは高かった。お互い、気合が入っていたよね」。愛工大名電の倉野光生監督(61)は満足げにうなずいた。

 今回の練習試合は、4月に就任した東邦・山田祐輔監督(29)が、倉野監督にあいさつの連絡を入れたことがきっかけ。その際、山田監督が東邦2年時に県選抜チームで指導を受けた倉野監督から「春(の大会)が中止になったらやろうか」と提案された。

 高校野球では相手に研究されることを嫌い、甲子園を争うライバル校同士が練習試合を行うことはほとんどない。愛知の「私学4強」として長年、しのぎを削っている愛工大名電と東邦も、公式戦以外で戦うのは異例だ。

 倉野監督は「『甲子園がなくなったから、やる気もなくなった』ではなく、純粋に野球が好きな子が多い。4強対決をしたい思いがあったし、大学、社会人で野球を続けることを見据えても大事だ」と説明。山田監督も「強いチームと試合して、成長具合を見るのは大事なこと。名電さんと試合ができて良かったです」と感謝した。

 両校とも、今後は7月4日に開幕する代替大会「夏季愛知県大会」に備える。高校通算38本塁打を誇る東邦の主砲・吉納翼外野手(3年)は「甲子園がなくなってショックしかなかった。でも名電と、いい球場で試合をできたことがうれしい。(夏季県大会で)優勝するために、きょうの敗戦を生かしたい」と前を向いた。 (麻生和男)

■東邦主砲・吉納「余裕が違った」

 東邦の主砲・吉納は4打数1安打。5回には愛工大名電の注目2年生左腕・田村と対戦したが全球直球勝負の末、三邪飛に打ち取られた。「楽しめたけど、勝負弱い。名電は堂々とやっていて、ベンチを見ても余裕が違った」と反省した。優勝した昨春センバツの準決勝・明石商(兵庫)戦で、今秋ドラフト上位候補の中森から本塁打を放った左打者。進路については「進学を考えている」としたが、夏の代替大会の活躍次第ではプロ側の注目も集まりそうだ。

(2020年6月15日 中日スポーツ6面より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ