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大学の新聞 未来を担う人材育成に取り組む大学

 2011年以降上昇の続く大学卒業予定者の就職率。各企業も積極的な採用に力を入れており、これからの日本を担う人材にますます注目が集まっています。必要な知識と経験、それを適切に使いこなす思考力や判断力、表現力。それらが養われる大学の教育は今、世界に目を向け、さまざまな人と協働しながら世界を牽引する人材育成に向かっています。

広い視野を持ち、実体験を力に変える グローバル社会で活躍するこれからの人材とは

インタビュー:文部科学省 高等教育局 学生・留学生課長 井上諭一氏に聞く

企業の採用意欲、就職率ともに上昇 グローバルな視点を養う留学希望者も増加

―ここ数年、学生の就職率が上昇していますが、企業の採用意欲は依然として高いのでしょうか?

 高い傾向にあります。厚生労働省と共同で実施した就職状況調査によると、平成27年度の大学生の就職率は97.3%と調査実施以来最高を記録しました。リーマンショック以前のレベルを上回り、昨年以上に企業の採用活動は活発化しています。

 業種としては、流通や建設、製造などが積極的に採用を行っているようです。特に建設業は進行中のビッグプロジェクトなどが影響しているのではないでしょうか。

― 大学生を取り巻く就職の環境はいかがでしょうか。

 昨今はIT化の影響で企業形態が変わり、その影響で学生が希望する職種も変化していますのでITを使う新しいサービスなどの職種は人気が高いです。また製造業は依然として安定した人気があります。中部圏はものづくりの企業が多いので、地元にとってはいい傾向だと思います。

 ただ、本当に希望する職種に就けるかどうかはやはり本人の意識が大切です。最近の私立大学は1年次から多彩なキャリアプログラムを行っていますので、学生は積極的に活用して早い段階から自分の将来像を考えると良いでしょう。

 今の世の中、いかに新しいサービスやニーズを見つけられるかが企業にとっての勝負です。そのため課題発見能力や課題解決能力を持った人が求められます。大学のカリキュラムもこれら社会からのニーズを考えて作られているので、学びの中で力を身につけてほしいと思います。

― 大学は留学などでグローバル人材の育成にも力を入れていますが、留学に関しての文科省の取り組みについて教えてください。

 文部科学省では平成26年度より「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を実施し、海外でチャレンジしたいことがある学生を毎年1000人ほど海外へ送り出しています。これは企業からの支援や寄附などにより官民協働で行うもので、将来世界で活躍できるグローバルな人材を育成する取組です。

 現在、大学生で約6万人、高校生で約3万人が留学していますが、2020年までには倍増をめざしており、これ以外にも奨学金で留学支援を行っています。学生時代に海外で学ぶのは貴重な経験です。苦労をし、異文化を体感することで、あらためて日本という国を知り、日本人としてのアイデンティティを持つことができると思います。

恵まれた環境で地元就職率が高い中部エリア インターンシップで視野を広げる努力を

― 中部地区の私立大学の就職支援やサポート、就職状況について教えてください。

 中部地区の私立大学は地元からの進学が多く、自動車や航空機産業などの優良企業も多数あることから、結果として、地元で就職する学生が多いようです。就職率も全国平均を上回っています。またOBも多く、学生も地元企業の話を聞く機会に恵まれるなど中部圏の中で好循環ができています。各大学も産学連携プログラムの実施など企業との協力を積極的に進めています。

― 文科省として就職支援や取り組みにはどのようなことがありますか?

 文部科学省はキャリア教育の一環として、学生が社会との接点を感じられるインターンシップを正規のカリキュラムとして位置づけていただくよう、各大学にお願いしています。企業側とも話し合い、学生の学修効果や企業にとってもメリットがあるプログラムを作ってもらうよう働きかけています。

 また厚生労働省や経済産業省とともに、様々な就職支援を行っています。例えば、大学と「新卒応援ハローワーク」が連携し、セミナーや就職相談等を行うなどの取組をしており、多くの皆さんに活用して頂ければと思います。

― これからの大学に求められる教育や、大学を選ぶ際に考えたいポイントを教えてください。

 社会に必要な問題解決能力や思考力を育成するために、アクティブ・ラーニングなどのプログラムを通して学生に多様な学びの機会を与えることが求められます。特に地元志向が強い中部圏の学生は大学時代に多様な業種や海外のことを知り、視野を広げることが大切だと思います。

 これから大学へ進む人はまず、自分がおもしろいと思った学部学科を選ぶほうがいいでしょう。最近は大学も学部学科を超えて学べる科目を設けるところも増えています。大学4年間は貴重な時間です。学業はもちろんさまざまな学びや留学、インターンシップなどを経験して力を蓄えてほしいと願っています。

自己のスキルアップで、希望する職種とのマッチングを支援

就職活動を応援する中部地区の主な取り組み

愛知のモノづくり企業の魅力を発信
[愛知県産業労働部 就職促進課]

 愛知県では就職活動中の学生を対象に7月29日(金)、ウインクあいちで「ものづくり企業就職フェア2016」を開催。また就職活動前の学生に中小企業の魅力を伝える「中小企業経営者と学生との交流会」を県内5大学6キャンパスで開催するほか、1日職場見学会や職場体験、「ヤング・ジョブ・あいち」でモノづくり企業魅力発信セミナーを開催し、学生と企業とのマッチングを手厚く支援する。さらに日本最大級の異業種交流会「メッセ・ナゴヤ」にブースを出展し、来場した学生のサポートを行うなどさまざまな形で学生の就職活動をバックアップする。

愛知県で行われた中小企業経営者と学生との交流会

愛知県で行われた中小企業経営者と学生との交流会

新卒応援ハローワークで手厚く支援
[岐阜労働局]

 JR岐阜駅前に設置された「岐阜新卒応援ハローワーク」では、就職活動中の学生を対象に、職業相談や紹介、全国の新卒求人の情報提供、面接指導、エントリーシートなど応募書類作成指導などの個別支援を実施。面接対策やグループディスカッション対策などの就職支援セミナーの開催、臨床心理士による就職活動中の心の悩み相談なども行い、きめ細やかな対応で就職活動をサポートする。また定期的に大学で学内就職相談やセミナー、ガイダンスを行い、インターンシップも岐阜県インターンシップ推進協議会と協力し、積極的に推進している。

企業説明会の様子

企業説明会の様子

就活クラブなどで幅広くサポート
[三重労働局]

 「みえ新卒応援ハローワーク」が開催する「就活クラブ」では、3年以内の既卒者を対象とした就活クラブAと、新卒者を対象とする就活クラブBを設け就職をサポート。それぞれで自己PRのポイントや面接マナーなどのグループディスカッションやグループワークを行いながら就職活動の基本を学び、正社員就職をめざす。またJobcafe「おしごと広場みえ」では就職フェアや就職セミナーなどの合同企業説明会をはじめ、模擬面接会や模擬集団討論などを毎月開催。1人ひとりのスキルアップを図りながら、希望する就職ができるよう細やかな支援を行っている。

三重県若者応援就活フェアの様子

三重県若者応援就活フェアの様子

東海3県大学卒業者の就職状況 [愛知県]県内35大学統計 [岐阜県]県内14大学統計 [三重県]県内7大学統計


下記から大学の就職への取り組み、卒業生・内定者の声がご覧頂けます。

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