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大学野球  2024.06.13

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全日本大学野球選手権 中京大8強 大けが乗り越え…安藤が大舞台で大学初完投、完封で飾る

中京大-中部学院大 完封勝利を挙げた中京大・安藤=神宮球場で (由木直子撮影)

中京大-中部学院大 完封勝利を挙げた中京大・安藤=神宮球場で (由木直子撮影)

■「隣県対決」制す

 2回戦の6試合を行い、中京大(愛知)が中部学院大(東海地区)との中部勢対決を3-0で制し、4強だった1982年以来、42年ぶりの8強入りを決めた。先発の安藤利玖投手(4年・安城南)は9イニング6安打無失点の快投をみせて、大学初完投を飾った。天理大(阪神)は八戸学院大(北東北)に11-1で5回コールド勝ち。4番の石飛智洋外野手(4年・出雲西)が1回戦の第1打席から7打席連続安打を放つなど3つの大会タイ記録をマークした。13日は神宮球場で準々決勝4試合が行われる。

■昨年までコーチ

 復活した男が大舞台で輝いた。リーグ戦の登板は最長5イニングだった中京大・安藤が初完投で9イニング6安打完封。昨季までの2年間は学生コーチで今春にリーグ戦デビューしたばかりの右腕が神宮のマウンドで快投した。

 「想像もしていなかった舞台でうれしい限り。2回戦は何としても、初戦で完封した高木なしで勝ちたかった。4年生の意地を見せようと思って…」。四死球0で、9奪三振。180センチ、99キロのどっしりした体から投げ込む最速147キロの重い直球を軸に、変化球を制球良く投げ分けた。

 1年の夏に右膝半月板を断裂。約3カ月間は歩くことすらままならず、「一度は気持ちが切れてしまった」。2年時から学生コーチとしてチームを支える中、復帰のきっかけが舞い込んだ。昨秋に打撃投手を務めて選手時代よりも速い145キロを計測。半田卓也監督(41)の打診もあって選手として再始動した。

 リーグ戦初登板から無失点を継続し、今は指揮官からの信頼は厚い。リーグ優勝を争った中部大との直接対決でも先発を任されて、5イニング無失点で勝利投手に。大一番での登板はいつも「大緊張です」と笑う。リーグ戦でも全国舞台でも登板前日に食べたのはもんじゃ焼き。安城南高時代からの勝負メシをパワーの源にした。

 神宮を目指して中京大に入学した。「簡単に諦めてしまって一番迷惑をかけた」という両親が見守る前で恩返し。苦労人が見事な晴れ姿をみせた。 (石曽根和花)

▽2回戦
中京大(愛知)000300000|3
中部学院大(東海)000000000|0
(京)安藤-森瀬
(部)長倉、古沢、小川-竹中
本塁打 川瀬(京)

(2024年6月13日 中日スポーツ7面より)

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