2010年1月26日
- 小規模店ネット参入後押し
岐阜聖徳学園大 学生ベンチャー G’s Project

岐阜聖徳学園大(岐阜市)の学生ベンチャー「G’s Project(ジーズ・プロジェクト)」は、地元繊維問屋街や商店街でIT(情報技術)による業務の効率化を進める。こうした小規模店のIT活用は全国的にも課題になっており、プロジェクトの活動は政府の先進事例に選ばれた。(岐阜支社報道部・斉藤珠美)
プロジェクトは2006年、経済情報学部の河野公洋准教授がゼミの学生15人とともにスタート。現在は第三期メンバー21人で運営している。
メンバーたちは当初、販売の頭打ちに悩むJR岐阜駅前の繊維問屋街を支援しようと、問屋街各店舗の商品を扱うインターネットの販売サイト「アパレル問屋ドットコム」の開設に取り組んだ。
インターネット販売は新たな客の獲得が期待できる一方、サイト上の販売と実際の店舗の在庫情報が関連づけられていない場合が多く、情報入力が手作業になり、ITをよく知る人材が少ない小規模店では導入が難しいとされた。
面倒な商品管理を自動化
プロジェクトはネット上で在庫や受発注の管理が自動でできるシステムを開発。各店舗が手間を増やさずにネット販売に参加できるようにした。プロジェクトのメンバーは各店舗の希望を聞きながら商品紹介のページを作った。
「アパレル問屋ドットコム」は現在11店が参加し約1500点を出品。商品は婦人服や紳士服などの分類から検索できる。注文は全国から寄せられ、全体の売り上げが50万円を超える月もある。

国の先進事例に選定
こうした取り組みから「アパレル問屋ドットコム」は08年、先進的なIT活用事例を集めた総務省の「u-Japanベストプラクティス」に選ばれた。
社長を務めるメンバーの林将史さん(22)は「もともとITの知識を持つ学生は少なく、本で勉強したり、詳しい先輩に聞いたりして手探りだった」と振り返った。問屋街に店を構える北川商店の北川保社長(60)は「自分でネットを勉強しようとしたが、難しかった。メンバーの指導で、個人的にもネット販売を始められるようになった」と評価した。
昨年10月には、JR岐阜駅前に問屋街22店の商品を扱う衣料店「G-NAVI(ジーナビ)」を開店。各店の商品を生かしたコーディネートを提案できるようにもした。
河野准教授は「学生たちは活動を通して成長した。この経験やITの知識はどこに就職しても役立つ」と強調した。メンバーの今村晋祐さん(22)は「就職する前に社会を知ることができた」、上山彰太さん(22)は「問屋街の人と一体になれたのがうれしい」とそれぞれ手応えを話した。
09年に岐阜市中心部の商店街が参加する別のインターネット販売サイトを手がけるなど、メンバーたちは活動の幅を広げている。プロジェクトは来年度、法人化の予定。3月卒業の林さんは「今後も活動を受け継いでほしい」と後輩たちに期待した。
(写真上)問屋街の商品を販売する衣料店「GーNAVI(ジーナビ)」で在庫確認をするメンバー=岐阜市吉野町で
(写真下)インターネットのサイトで販売する商品の写真撮影をするメンバー=岐阜市金園町で





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