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春の褒章 紫綬 上田龍三さん(72) 名市大名誉教授

 日本初のがん抗体薬の開発者で、がん免疫療法の第一人者。日本人に多い難治性の血液の希少がん、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療に新たな道を開いた。

 名古屋市立大の教授だった2003年、ATL患者のがん細胞の表面にタンパク質「CCR4」が多く現れることを発見。製薬会社との共同研究で、CCR4を標的とする特殊な抗体を作って点滴投与すると、免疫機能が増幅され、がん細胞だけが破壊された。

 安全性や効果を確かめる研究や治験を経て12年に承認。米国に比べ創薬研究が進まない日本で、産学官が連携して世界標準となる新薬を生み出すモデルケースとなった。

 現在も愛知医科大の教授として、患者の免疫力を高め、より多くのがんに有効な新薬の開発を進める。「企業も国もみんなが力を合わせないと、真に患者さんの福音となる薬はできない。若い人も夢を持って研究してほしい」(名古屋市名東区)

(2017年4月28日 中日新聞朝刊県内総合版より)

[2017.04.28]

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